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(天官ネタバレ)名もない人たちの話

天官賜福、そろそろ本編読み終わるのですが、240話くらいまでのネタバレ感想です。




最終決戦で殿下が劣勢の中、花城が言ってた『殿下にしかできないこと』で勝つじゃないですか。最初は(なんで打ち破れたんだろう?)と思って、その後の君吾への言葉で(胸で石……あっ胸で石!!!!なるほど!!!!)となったわけですが、ちょっとしたユーモアに見せかけてめちゃくちゃいい話だな!と思ったのでした。
天官は物語として花花の800年の信仰が殿下のパワーになるストーリーなんですが、殿下のこれまでの人生を通り過ぎていった名もなき人たちもちゃんと殿下のパワーになってるんだなーというのが嬉しかったというか。胸で石…の大道芸人の件は最初は殿下の『うまくいかないこと』の一つとして出てきて、あのとき殿下が張り合わなければ大怪我をすることもなかったんじゃ…と思ってたところで太子殿での出来事がありますよね。あそこで疑義を呈してくれたからこそ大道芸人のことを殿下は思い出せたのかなーと思うし、最後の戦いのあとで雨の中笠をかけてあげるのも穴の中で倒れて道ゆく人の心をはかっていた(と私は理解したんですが)時に罵声を浴びせた後で憐れんで笠をくれた旅人の行動をなぞってるのかなあと。殿下がずっと笠を背負ってたのも当時の自分の過ちを忘れないようにってことかと思ってるんですが、今回戦いに打ち勝つことで再度の人面疫を防げたことでやっとあの笠を返せたということでもあるのかなと思いました。
最後の戦いで花城が千万人の信者がなんだ!全員ゴミだ!たった一人で十分じゃないか!!って殿下に言うシーンは花城が最終的に殿下に捧げられるものというのがよくわかる場面で好きなんですが、それはそれとして殿下が持ってるものってそれだけじゃないよねというか。いやまあ花城の献身に比べたら他は全部ゼロに近似されそうなんですが、人間誰しも花城のようになれるわけではなく(というかそんな人間いないのでは!?)、そうだとしてもほんの些細なことでももしかしたら誰かの力になれてるかもしれないね、という話だったらいいなと思いながら読んでいました。

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