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沈清秋と蘇夕顏

沈清秋と蘇夕顏、面識のない二人を繋ぐものについて。
本編終盤ネタバレと番外編の話も多少。




昭華寺ミッションのところで師尊が蘇夕顏にようになるつもりか!的なことを言われているように、洛冰河の母親である蘇夕顏と師尊はどことなく重なるところがあるんですよね。わかりやすく言えば魔族と許されぬ恋に落ちる人間ポジション。(師尊は突っ込んでるけど)
ただし主人公とその親世代の人間関係が対比になっていたりとか、人間と人外の間の子供がまた人間と恋に落ちる話とかはある種古典的なあるあるなので私が取り立てて主張することでもないとは思うのですが、会ったことのない洛冰河の母親と師尊に繋がりができてしまうことにロマンを感じてしまったので……。


私が一番最初に思い浮かぶ師尊と蘇夕顏の繋がりは、クライマックスで心魔剣に蝕まれた洛冰河を師尊が助けた方法ですよね。蘇夕顏がお腹の中にいる洛冰河を助けるために毒を自分の体に移した(これ自体が師尊が自分の推測に過ぎないがって前置きをして洛冰河に語りかけるのが泣ける)ことにヒントを得て洛冰河と……となるわけで。ところでいくら魔族を殺す毒でも光り輝く主人公たる洛冰河が死ぬことはないと師尊もわかってるのに、蘇夕顏はこういう方法でお前を助けたはずだ…!っていう話をする師尊のね……ラブが……。
次が幻花宮水牢ですね。師尊が水牢に閉じ込められるのは前半の山場なわけですが、終盤で実は天琅君と深い仲になったかどを咎められて蘇夕顏も水牢に閉じ込められていたことが判明します。洛冰河は自分を身籠ったがゆえに自分の母親が閉じ込められた場所に、そうとは知らないとはいえ師尊を閉じ込めたんですね~~~!!ちなみに水牢は狂傲~で沈九が洛冰河に殺された場所でもある!因縁!!
あと最初の話の続きでもありますが、蘇夕顏が飲まされたのは魔族を殺す毒だけど、序盤の魔族三番勝負で洛冰河の対戦相手だったハンマー長老の毒は魔族には効かないけど人間に効く毒。洛冰河を毒からかばうという行為自体も師尊はすでにやっているわけです。しかも洛冰河にはノーダメージで自分にダメージがくるやつを。
最後にこれは私の主観なんですが、竹枝郎を通して見る天琅君と蘇夕顏を見るとやっぱりちょっと冰秋を彷彿とさせるような気がしてしまう。蘇夕顏にうきうきと会いに行く天琅君は恋する少女のようだし(って書いてませんでした!?誤読!?私が見た幻かも??)、あと私は基本的に師尊に対しては健気でいじらしい洛冰河が突然無茶なことを言い出すのが好きなんですが、リアリストだけどその無茶を受け入れてしまう師尊と蘇夕顏。これが好きなんですよね。


じゃあ洛冰河は師尊を通じて蘇夕顏の母の愛を受け取っているのかと言われると、洛冰河本人が言うように彼の親は養母の洗濯婦ただ一人だし、実の親だからといって無条件に蘇夕顏の愛を信じられるものでもないと思います。ただ師尊の方は良好な家族関係の元育っているっぽいので家族愛というものが素朴に考え方のベースにあるのではないかと思われ、洛冰河が受け取るとすればそれは師尊がこうだったのではないか/こうであってほしいと考える母の愛なんじゃないかなーと思いました。結局蘇夕顏の思いを冰秋の二人が直接知ることはできないわけですし。
しかし師尊が伝えるのが例え想像上の母の愛だったとしても、それはあながち間違いではなかったのかもしれない…という可能性を竹枝郎番外で示してくれているような気がして、私はそこに夢を見たくなります。




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