容九のこと

強く関わるわけではないけど燃晩のターニングポイントに居合わせる容九について。
中盤あたりのネタバレと、ふわっと終盤あたりにも触れるかも。







フォロワーの影響で容九のことをぼんやり考えてたんですが、確かにレギュラーと呼べるほど出てくるわけではないけどポジションとしてはけっこう大事なんだなーと思いました。
そもそも二哈は伏線がこれでもかと張られてる作品なので、転生した墨燃1.0が2話でまず出会う人物である容九が序盤の出番だけで終わるはずがないよなとも思いました。
序盤エピソードでの容九の役割は墨燃の素行があまり良くないこと、男色を好むこと、踏仙君時代の冷酷さとは違って未来を知っているからやや寛容になることなどの説明と、その後師である楚晩寧に苛烈に叱責される原因にもなるキャラクターですよね。
地界でのエピソードは楚晩寧の死を経て心を入れ替えて弟子として楚晩寧に尽くしたいと思っている墨燃との再会で、墨燃の素行の悪さを知っている容九は面白くない感じもあり。ここでは墨燃ともだけど容九と楚晩寧の絡みがスパイスというか、序盤のエピソードの時はまだ我々は楚晩寧がそんなに墨燃のことを好きだって知らなかったけどここでは分かっているから、あー墨燃が昔贔屓にしてた男娼って全く良い気持ちはしないだろうけどそれを表に出すわけにはいかないだろうからな……となって。容九はたぶん二人が両片思い（この時点では墨燃は恋愛感情ではないと考えてるけど）なのに気付いてて楚晩寧を挑発するんですよね。でも自分は予想してたよりは険悪にはならなかったなーと思ったし、地界エピ自体が燃晩の絆が強くなる話ですしね。だから結局は容九は当て馬なんだよな～と思っていたところでもう一回容九が登場することになり。地界で楚晩寧を見てどこかであったことが？って言ってた気がするんですけどそれがまさかああいう形で出会っていたとは！結局容九自体はそんなに重要人物ではないしすごく大事な行動をするっていう感じでもないと思ってるんですけど、居合わせる場面ことごとく燃晩の大事な場面じゃないですか？なんかそれがちょっと残酷なように感じてしまう。
映画クレイジーリッチ！が大好きで円盤買って何回も見てるんですが原作者と監督のオーコメで好きな会話があるんですよ。キティ・ポンっていう実力はないのに顔と体でスポンサーに媚びることで主演映画をゲットする女優が出てくるんですよ。ちょっと面白おかしい感じで描かれてて。主人公の彼氏のいとこ（前述スポンサー）の恋人だから彼氏一族からはあまり良く思われておらず……みたいな感じなんですけど、キティを指して、でも彼女はサバイバーだからねってオーコメで言われてるのが妙に印象的で、容九のことを考えるとそのことをなんとなく思い出してしまうという。サバイバーというのはそういうやり方をすることで生き延びてるんだっていう意味だと思ってるんですが容九も別に楽しくて小狡いことをやってるわけではなく、地界でも男娼だったスキルで色狂いの閻魔相手にうまく立ち回ろうとし、でも生前も死後もそんなにすごく良い目に遭ってるというほどでもないわけで。そういうサバイブをしている容九が必死で善くあろうとしている燃晩のターニングポイントに立ち会いがちなのが二哈だな～という話でした。