二哈の感想メモ ~90話
80話くらいまでが引き続き楚晩寧がちっちゃい夏司逆になってる話ですね。時々元の姿に戻るけど!夏司逆になってる状態だと見た目だけでなく、性格の方もいつもの三割増しくらい素直になっていてかわいいんだけど普段の素直になれない態度とのギャップが切なくもあり。そして今だけは素直になれてる楚晩寧と、今だけはいい人になれてる墨燃という対比も……。
私が好きなエピソードは、62話の夏司逆師弟の髪を結ってあげる場面でかわいい髪飾りをつけられそうになって文句を言いつつも墨燃に髪を結ってもらううちにこんな自分たちもいいかもしれないと思う楚晩寧のいじらしさが泣ける。普段から素直になれればいいんだろうけどそれが楚晩寧にとってはすごく難しいことで、しかも大人に戻れば元の師弟関係という節度を保たないといけないからこんな風な距離で親しく触れ合うことはできないですもんね。
あとは70話で墨燃が調子にのってお兄ちゃんって呼ばせようとするところもお約束だけどニヤニヤしてしまう。(そしてこのやりとりがのちのち……)いつもの楚晩寧だったらぜーーーったい呼ばないけど、夏司逆状態だと「墨燃哥哥」って呼んでくれちゃうの、さらにてれる墨燃……ほのぼの……このほのぼのが続けばいいのに……。
夏司逆が墨燃のためにスープを作って待ってたのに帰ってこなくて一悶着あった時の、夏司逆が言う「私もお腹が空くし、苦しむこともある、私は人間だ」が楚晩寧のわかってほしいけど普段は絶対に言えないことという感じで胸が苦しくなりました。「私も人だ」も後半になって効いてくる台詞ですね。
そういえば元に戻ったあと夏司逆が楚晩寧にすごくよく似てることについて墨燃に自分の子供だって嘘をつく件、なんかもっとこじれるのかと思って怯えながら読んでましたけどとくにそういうこともなくてよかったです。子供!?って一瞬はショックを受けつつ楚晩寧に妻がいたってことをそもそも信じてないのかな~と思ったんだけどどうでしょう?あと夏司逆の正体についてもっとあっさりバレるかと思ってたけど意外に引っ張られたよね。
80話からは蝶骨美人席と儒風門の話が本格的に出てきますね。桃源郷で一緒だった葉忘昔は初登場時の描写(前世の踏仙君が唯一認めた楚晩寧の次に強い好敵手的な)ですごく重要人物なんだろうな~とは思ってたんですが、80話からのエピソードももっとちゃんと理解しながら読めばよかった…!と今は思います。前世の踏仙君の妻・宋秋桐も出てくるたびに不穏な感じなのでハラハラする。
このあたりで一番大事な見せ場だと思ったのが82話と83話で、楚晩寧も前世から転生してきている!?!?!?ってなるところですね。(と私は思ったんだけど)(楚晩寧の前世の記憶あたりは実は読了した今も複雑で理解しきれてないところがあるが)二哈は大事な台詞が何回もリフレインで出てくるのでそこは読者に優しくて嬉しい!「是我薄你、死生不怨」は本当に大事だし、情報が開示されるたびに意味がまた違って見えてくるのがすごい。訳が合ってるか自信ないけど「お前が道を誤ったのは私のせいだ、命が尽きてもお前を恨むことはない」って意味と理解してて、「私のせいだ」がこの時点では墨燃が踏仙君という暴君の道を歩むことを止められなかった後悔だと思ったんですがまあこの話はまた今後……。そしてこの楚晩寧のうわごとを聞いて衝撃を受ける墨燃が、初めてちゃんと楚晩寧への気持ちに気付いて(ハプニングとかではなく)自分の意志でキスをする!うわー!!となりました。
88話も衝撃で…という話をするために今読み返してたんだけど、これ!!!!!今ならわかる!!!!!そうそう現世に墨燃の正体を知ってる人間がいるという衝撃、それからたまたま何の因果か墨燃は生まれ変わってしまった的な話だと思ってたら誰かが意図的に転生をさせた!?という衝撃。前世での行いを踏まえて現世では善の人間としてやり直す話になるのかなあとうっすら思っていたところへ、そうは問屋が卸さないと突きつけられたのがかなりショッキングでした。生まれ変わっても前世の罪からは逃れられないことが示唆されて、これがその後もずーっと付きまとう二哈の大事なテーマになるんですよね。
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