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当年万里觅封侯の感想文

読み終わったのはけっこう前で、わりとさらっと読んでしまったので感想書いてなかったのですが、思い出すとじわじわ変なBLだな……と思いやっぱりまとめておくか~となったのでした。
私が好きなeスポーツBLのAWMやFOGを書かれてる漫漫何其多先生の架空歴史宮廷もので、カップリングのテイストはその二作とはちょっと変わったテイストでした。
宮廷政治劇とフィクション上のナマモノ同人誌ネタが好きな人におすすめです。

以下折りたたんで感想文。





カップリングは郁子宥×钟宛、幼馴染みだった王族の跡取りの郁子宥と、名門の生まれだったけど政治権力争いのせいで幼い主を守って地方に行くことになってしまった钟宛の話です。話は基本的に钟宛視点で進んでいきます。
文案にある「伪破镜重圆(一度破局した話っぽいけどそうではない)」がどういう意味かというと、二人は幼馴染み(同じところで勉強をした仲)に過ぎないのに钟宛がいつか役に立つかもしれないからという意図で『実は二人は恋仲だった』という噂を流したんですね(どういうこと!?)その噂が世間に広まりまくり、同人誌が大量に制作され、実は昔から钟宛のことが好きだった郁子宥は元は優しい性格だったのにその同人誌を読みまくって性格が歪んでしまう……変な話!!
じゃあそんなめちゃくちゃな噂を流す钟宛は変人かというと、科挙に受かるレベルで才能があり恩義ある人物の忘れ形見である幼い主に忠誠を尽くす真面目で頭のいい人物なんですよ。でもなぜか郁子宥とのことになると妄想が大爆発してエロ同人誌みたいなことを口走ってしまう……なぜ……!?
話のメインストーリーとして進んでいく皇族たちの政治権力争いはシリアスできな臭く、でも主カプの話だけがコントみたいに展開していく寒暖差の激しいBLです。宮廷劇はシリアスだけど主カプがラブコメといえば緑野千鶴先生の妻为上ですが、漫漫何其多先生と仲がいいのも納得~となったり。
BL部分はかなりラブコメなんですが、郁子宥の生い立ちの部分はかなりつらいですよね。さっき同人誌を読みまくって性格が歪んでしまったって書いちゃったけど、普通に家庭環境と自分の出生の秘密の方が大きな影を落としていると思います。自分の存在が権力獲得のための陰謀の結果生まれた許されざる子供だというのもつらいし、そのせいで好きな相手である钟宛の家が没落したのもつらい……。大人になって再会した钟宛と郁子宥は、最初はピリついた関係なのですがだんだんバディみたいになっていくんですよ。弱小貴族である钟宛たちを都での権力がある郁子宥が陰ながらサポートしてくれるし、その恩に報いる+捏造恋愛譚を流した罪悪感で钟宛も郁子宥を助けるぞ!みたいになっていくし。そんな中で明らかになっていく郁子宥の生い立ちは本当につらく……でもそれをネタにしてラブコメギャグをやっていいんですか!!??となってすごいです。
一番おののいたのは、郁子宥の実の父親がやったことがわかり、でもその頃には恋仲になっていた钟宛は先祖・両親の墓に行って叩頭するんですよね。一族の仇の家の人間を好きになってしまって申し訳ありません、でも誘惑したのは自分で彼ではなく罪があるとしたら自分なんです、と。何度も墓の前で頭を打ちつけたので流血していて、その足で(色々あって錯乱して)眠ってしまった郁子宥の元へ帰ってきて隣で眠り、朝も先に寝室を出ていくんですよ。そして目が覚めた郁子宥が見つけたのは血の汚れと脱いだあとの下着→「寝室にどこの卑しい女を連れ込んだ!?」→「昨晩寝室に来たのは钟坊ちゃんだけです」→「そうか……いや、下着……血……記憶はないけど無理矢理抱いてしまった……!?」このオチ!墓の前で叩頭したエピソードをそんなオチに使っていいんですか!?やりたい放題過ぎる!そのあともめちゃくちゃで、本当に抱いたか確かめたいから局部を見せてくれ→見たい?あっ、今度王に封じられるから皇帝に結婚を願い出るために童貞か確認する必要があるのかも?と承諾する钟宛→見る→童貞かどうかわかりましたか?→ここで誤解に気付いて去る郁子宥→見ただけですぐに行ってしまった?私のあそこは……そんなにがっかりさせたのか……という展開、そんなことあります????科挙に受かるレベルで才能があり真面目で忠誠心に篤い公子、なぜか恋人のことになると妙な勘違いでまだ一線を越えてないのに局部を見せてくれる受……変なBL!
宮廷政治劇としての面白さがしっかりとありつつ、とにかく変な受の钟宛と性格が破綻している攻の郁子宥がお互いにボケとツッコミを繰り返しながら絆を深めステップアップしていく様子がたっぷりと織り込まれていてすごかったです。




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