中華BL小説ガイドブックの感想
情報がちゃんとしている
誉めのハードルが低いと思われるかもしれませんが、中華BLは日本語情報の少なさゆえに特にウェブ記事だと胡乱な情報を書かれがちなので……。
ちるちるの悪口をよく書いていますが、他にも原作情報として海賊版サイトへのリンクが貼ってあったり、個人ブログの文章を丸々流用した作品紹介とか色々あったのですよ!!
なのでちゃんと中華BLのことをよく知っている人が作っていて、内容も専門家の人をちゃんと呼んできているのでそれだけでもかなりよかったなポイントが高いです。
日本語訳あり作品が全て同じフォーマットで平等に紹介されている
これも常日頃の拗ねが出ている感想でお恥ずかしい……。
中華BLの話といっても内容はほぼmxtx作品(というか魔道)みたいなことがあるので、原作はもちろん完結してるメディアミックスも多数の魔道祖師から単行本がまだ出ていない残次品まで全部平等に紹介されていてありがたい~と思ったのでした。
各作品8ページずつ割り当てられており、9作品分だとそれなりのボリュームになるので、これだけ日本語訳が出たんだなあと実感できるのもいいですね。
コラム「多彩なメディアミックス」
2ページのコラムではありますが、実はこれを読むだけで日本に上陸済み&日本語字幕で視聴可アニメが網羅できるので隠れお役立ちページだと思いました。
しかし本書は「小説」にポイントを絞った作りにしたのは慧眼だし個人的にもよかったなと思うところです。
派生ドラマまで話を広げるとまた言及するべきポイントがいっぱいいっぱいになってしまうだろうし、漫画もリストアップするだけで膨大な数になりそうなので。ただ漫画はどんどん上陸しては大半が書籍化されないまま販売停止になっていくので、邦題と原題を並べたリストだけでいいので何らかの形でアーカイブできるといいのですが……ということは思っています。
原語書籍を入手する方法の紹介がある
中国書専門店や大手書店の海外書のコーナーで入手できるという情報があるのも親切だと思いました。
渣反の日本語訳が出る前は、メルカリなどで海賊版を手にしてしまわないように原作を買う方法をまとめるという活動をしていましたが、本当に海賊版を買ってしまうのは悲しいですからね……売ってる方が悪いのですが……。
たぶん今一番海賊版を手にしてしまいやすいのは天涯客(ドラマ山河令の原作)だと思うので、天涯客は今は晋江文学城で読めるようになってるので!
https://yuncang.pixnet.net/blog/post/172218552
https://yuncang.pixnet.net/blog/post/174473790
これは繁体字版公式のお知らせページなのですが、この表紙じゃないやつとか(中国語は台湾繁体字版しか出てないので)簡体字版の本は海賊版なのでお気をつけください。繁体字版も絶版なので本物は相当レアだと考えた方がよさそうです。めっちゃ余談ですいません……。
読み方・ルビについての説明
目次のページにどういうルールで読み方を表記しているかの説明があるのもよかったです。
こうしなくてはいけないという絶対的なルールがあるわけではなく、作り手がどのように伝えたいかが大事なんだよな~と思えました。
ところで最近読んだ中国SFアンソロジー「長安ラッパー李白」でも、「唐代の発音は、現代中国語よりむしろ日本語の漢音に近いため、固有名詞のルビは原則、日本語読みを付した。ただし、単語の読みそれ自体も文芸の一要素であり、ルビを効果的に用いた作品もある」という説明がなされていて、これにもかなりなるほど!となったのを思い出しました。
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