FOG[电竞](F.O.G〜羊が迷える霧の中〜)感想文
せっかくなのでピッコマの画像とあらすじを引用させてもらいます。
超人気FPSゲーム『F.O.G』で出会い、共にプロゲーマーとして世界チャンピオンを目指すと約束したルオとスイ。しかし、スイの「裏切り」によって、ルオはチームから外され、2人が離れ離れに。2年後、スイはヨーロッパリーグから帰国、新しいプロチームに所属したが、それはルオのライバルチームだった。再会した2人の関係は、かつてのチームメイトから敵同士へ変わっていくが、そこにある転機がやってくる…。画像・あらすじ出典:https://piccoma.com/web/product/120892
人名ローカライズはされてるし、所々日本語に不安がある感じの訳ではありますが(でもそれがだんだん癖になる?)完結してくれてほんと嬉しいです。
続きで感想です。
同作者の漫漫何其多先生のAWMが名作過ぎてドハマりしたのでついつい比較してしまうのですが、AWMは真っ直ぐで熱く爽やかな話なのに対して、FOGはけっこうビターというか人間関係にもややドロドロしたところもあって胸が痛いところが多く、その分重厚な作りになってるなーと思いました。
まず主人公二人が後味の悪い別れ方をして再会するところから始まりますからね。AWMもそうか。でもAWMはわりとすぐ両思いなことを確かめられるんですが、FOGはヒリヒリした関係がけっこう長く続き、つらい回想も長く……。
あとFOGに重厚さを与えているものとして、周囲の人々、他の戦隊のこともけっこうしっかり描かれているところかなと思いました。他の戦隊絡みのエピソードでいうと、実は野牛戦隊の話がけっこう好きだったりします。時洛がFS戦隊に来たばっかりの頃、打ち上げ会場で遭遇した野牛戦隊の暴躁書(ピッコマで言うところの根暗マッシュ)に挑発されて喧嘩になり、逆上した暴躁書が花瓶で殴りかかってこようとしたところを余邃が庇って怪我をする……てやつですね。軽率な新人の時洛をすでに大スター選手の余邃が庇うところで当時から余邃→時洛の思い入れが分かるというのが第一だと思うんですが、そのあと時洛に説教をするのが宸火っていうのがめちゃくちゃ好きなんですよ。宸火は普段は口が悪くてガサツで鈍感で、時洛とも喧嘩ばっかりしてて仲が悪いチームメイトなんですが、そういう宸火がeスポーツ業界はまだ発足したばかりで世間の風当たりは強い、暴言を吐いただけで罰金を取られるような規則がある業界が他にあるか?でもプロとしてeスポーツをやっていくにはそういうことを気を付けないといけないんだっていうことを説いてくれるんですよね。この時点でだいぶ好きエピソードなのですが、これが後々のエピソードにつながってくるのも熱い!FOGの世界はSNS上の叩き・中傷が激しくて、でもさっき書いた通り選手たちはあんまり言い返せないんですよね。でもデマで叩かれるのをどうして大人しく見てないといけないんだ?って時洛が言い出して、もちろん単に言い返すわけではなく証拠を反論して、でも肝は選手だって人間なんだから言われっぱなしでいいわけがないってところですよね。Freeだけじゃなくて全員聖人と言われるSaint、中でも聖人中の聖人隊長・天使剣さんも賛同してくれるのが熱い!漫画版の天使剣さん(ピッコマだとエィンジェル)ビジュアルが最高なので見てね!
あと世界大会に出場してるNSNとFree以外の戦隊がSaintはじめ特訓に無償で付き合ってくれる時に、敵対してるドイツの聖剣戦隊が悪辣過ぎてなんとあの野牛戦隊がFreeの特訓に付き合ってくれるのも熱くて爽やかなエピソードですよね。当時一触即発だった時洛と暴躁書がぎこちなくスタンプを送り合う微笑ましさ。
他戦隊だと時洛の友人ていうか舎弟みたいになってる瓦瓦くんが好きです。癒し。AWMでいうと辛巴枠だと思うのですが、瓦瓦は普通に強くて強豪チームのヒーラーやってて、そして余邃×時洛の強火cpファンなのも心強い笑。そして癒しだけじゃなくて、世界大会でプレッシャーから立ち直ってヒール無双をするところ本当にかっこよかった!
FOG世界のSNS、攻撃的なことも多くeスポーツファンからなんなら対戦相手もSNSで挑発してくる世界なのですが、逆にSNS(というかネット)を絡めた胸の熱いエピソードも多いです。まず不本意な事情でヨーロッパリーグに行くことになったFreeの余邃、宸火、Puppyが国内サーバーに2年ぶりにログインし、FOGユーザーたちがその通知に爆湧きするところは本当に熱い!!そしてFOGのSNSエピソードといえば時洛のサブアカですよね。基本的にクールでファンサービスもあんまりしないEvilがサブアカで余邃ラブなデロデロ甘々ポエムを書き散らし余邃ファンにいつも叩かれてるのほんと面白過ぎるし、しかし番外エピローグで二人の関係をどうやって公開する?ってなった時に……という。この結末本当に本当にロマンチックで最高過ぎる!
ところでFOGの漫画のベッドシーンがけっこうすごいという話を前にしましたが(中華BL漫画の日本語訳版で修正が解除されてる)、三日三晩朝から晩までセックスしてたカップル初めて見たような……?私は両想いになった二人がいつか挿入ありのセックスしようねって約束し合ってるシチュエーションが大大大好きなのですが、FOGもまさにこれで、しかもついに!となったら三日三晩ですよ。それまで性的な触れ合い自体はしてたけど余邃が一方的に時洛にしてくれるだけだったのでてっきり余邃はそういう方面に淡泊だと思っていたけど全然そういうわけではなかったという記述が間接的ながら色々想像させてくれてhotなエピソードでもあります。ピッコマ106話です。
断腸の思いで時洛の元を離れた余邃(そして自分を迎えに来なかった母親を重ねて傷つく時洛)→世界大会ベスト8戦のWhisper、余邃を試すための10杯のレモンティー→大会後の余邃の10箱の贈り物……という感じでFOGはとにかく過去のエピソードをリフレインとして現在の二人につなげていくという構成が上手いんですよね。漫画もとってもいいのですが、細かいエピソードはスキップされてるところも多いので原作読むとさらに色々あって熱いと思います。
PR