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死亡万花筒の感想文

無限流もう一個なにか読みたいな~と思っていて、人気作品だしドラマ(致命遊戯)が10月からWOWOWに来るしということでいいタイミングな気がしたので読むことにしました。
かなり血みどろで人がリアルに死んでいくホラーで、全球高考はなるほど轻松だったなあと思いました。
以下でネタバレあり感想です。
作品の傾向的に、ネタバレ避けたい人は前情報入れずに読む方がいいかも!







ある日突然家の中に見知らぬ12のドアが出現して、開けるとそこは生死を賭けたゲームに強制的に参加させられてしまう恐ろしい世界だった。ドアの世界に入り込んでしまった林秋石は、不思議と自分を助けてくれる阮南燭(ドアの中では大体女装してる)に出会う。ドアの世界の死は現実での死を意味し、しかしドアから生還すると不治の病にかかっている人も生き延びることができる。果たして二人は生きて12のドアを生還することができるのか……!?というのが大体のあらすじです。
最初に書いた通りめちゃくちゃホラーで、しかも死に方が理不尽だったり、どう考えてもこんなの助かるの無理でしょ……みたいなのが多くてすごかったです。感想メモは毎回毎回「無理ゲー過ぎる」でした。(ずっとそう)とくに11番目のドアはこれってどうやったら生還できるんですか?って感じでした。死に方も多種多様な嫌さ!!!最初のドアの斧で真っ二つとかまだ優しかったな。三つ子の誕生日のやつで、スプーンで中身を掻き出すようにくり抜かれるのと、あと死に方じゃないけど療養院で看護師が何回も飛び降りて肉塊になって腕だけで這いずり回ってまた飛び降りる……ていうやつが嫌だった!生きたまま皮を剥がれるとかそういう聞いたことあるレベルじゃなくて、そんな死に方知らん……みたいなのがいっぱい出てきてすごいです。
強制的にドアに参加させられるのは理不尽な悲劇でありつつ、生きたい理由がある人にとっては幸運なのも面白い作りですよね。主人公の林秋石もそうなんですが、こにダイレクトに関わってくるのが程千里と程一榭の双子なんですよ。こう、個人的に色々あって(QKと半神)双子ネタに激弱くなっているのですが、双子がドアに入る理由がわかった時から嫌な予感しかしないじゃないですか。二人が生きて12のドアを生還する未来が見えないというか。なので本編で迎えた結末はああ~~~……って感じなのですが、ダメ押しの番外!!双子というか程一榭にとってドアは天啓でさ……。あと双子ほんとに好きなんですが、その一方で一榭と卓飛泉の組み合わせちょっともえじゃないですか……?
あと不本意ながらドアに入ってしまった人たちも、ドア生還のために頑張らざるを得ない仕組みになってるのもよくできてるなーと思いました。もちろん死にたくないというのは一番ですが、最初にドアをクリアした人は次のドアのヒントが手に入るというインセンティブがあったり、あと助かりたい人はいっぱいいるから主人公たちの組織・黒曜石や、白鹿みたいにそれをサポートする商売をする人たちもいたり。あと高難易度のドアになるに従って、ドアとドアの合間の期間が長くなったりもなんか嫌さがある!立て続けにやって来られても嫌だけど……。
主役カップルは阮南燭がドアの中で女装して他の女たちに喧嘩を売っていくところ以外は(そんな「以外」ある?)わりと落ち着いたカップルで、恋愛模様もしっとりしていてよかったです。林秋石が優しいけどお人好しとかとはまたちょっと違い、スルー力は高いけど冷たいわけではなく、ここぞという時に肝が据わっていてあんまり見たことのないタイプのキャラで新鮮でした。阮南燭は意味ありげに迫ってくるのですが、なんやかんや阮南燭と一緒だとよく眠れるな~ということで付き合う前から二人で寄り添って寝てることが多く、カップルの振りをしていると何かとドアの中で便利なのでビジネス(?)カップルっぷりが板についている二人でもあります。キスしたりとかそういうモーションは阮南燭からの癖に、林秋石が恋愛感情を意識し出す時にはなぜか距離をとろうとしたり……と両思いになる前後はやや色々あり、二人が付き合い出すのもちょっとショッキングな人物の死があったりするけど、恋人になったら普通に黒曜石の基地でいちゃいちゃしてるのもよかったし、私は特に最後のドアの前に二人で2か月のバカンスに行く話が好きです。これも最難関のドアを控えて生きて戻れないかもしれず、また親しい人たちの死という影も残る中での旅行で、切なさと甘さがあって私はこういうのめちゃくちゃ好きでした。
ドアと理不尽な死もそうですが、主役カップルの描き方もちょっと突き放したような独特の雰囲気があり、番外1を読んで飲み込めなくて何回も読み直しました。今思うと確かにそういう予兆はあった……?一般的な恋愛物語だとお互いの全てが明らかになってその上でお互いの思いを確かめ合うって感じになると思うんですが、林秋石は阮南燭がいればそれでいいので阮南燭もそのままやっていく、というのがなかなか新鮮だったし、そういう思い切った描き方がけっこう好きな感じかもと思いました。全体を通してすっきりしなさとか後味の悪さをそのまま物語にする勇敢な作りで面白かったです。
ところで主役カップルはほろ苦さもありつつ基本的に成熟していて甘さと爽やかさのあるカップルだと思うんですが、なんかサブカプの方がネットリしてません??最初ここがサブカプってわかった時の「あ……そこ付き合ってるんだ……」ていう知り方も妙なリアルさがあり、私は番外まで読んでキスシーンまで出てくるとサブカプとして親しみが湧いてきた(?)という。なんか今までは覗き見してる感が強くて……。



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