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残次品の中の異性愛主義

(以前ふせったーに書いてたことの転記+追記)
(残次品と小蘑菇のネタバレがちょこちょこある)





残次品の世界観としてとくに注釈なく同性で結婚するし子供も持つし……という世界なわけだけど、なんとなく首都星の沃托には異性愛主義が残っているように感じるんですよね。
エデンシステムのために結婚する人間そのものが減っていて、しかし結婚に政治的な意味合いがある沃托だけは結婚する人が多いという記述だったと思うのですが、政治的権力が世襲的になっていることを考えても政治的な意味合いを持つ結婚は依然として生殖を前提とした異性間結婚だと思うんですよね。
(体外出産がスタンダードな世界だということも知ってるけど……それでも象徴としての異性間生殖文化を捨てられないんじゃないかな?)
とある人物は同性の友人への恋愛感情を秘めたまま亡くなるんだけど、それはその友人に女性のパートナーがすでにいたからだというのが一番大きな理由だと思うんですが、沃托にある異性愛主義も少し影響してるんじゃないかななどと想像していました。


上に書いたように特に注釈なく同性カップルが存在する作品のわりには陸林以外の同性カップルが全然いないんだよなあと思わないでもないですが、まあ陸信夫妻のなかよしエピソードがあるくらいで男女カプの恋愛エピソードもそんなにあるわけじゃないし……と思ったところで万有引力と……があるな……。
他はトゥーランがバイセクシャルなことがちらっと匂わされてるくらいですかね。



SF的世界観における生殖に関して言えば、小蘑菇の方が踏み込んで描かれてると思ってます。(けっこうメインになる話題でもあるし)
そして同性カップルについては、それ以前に生殖能力のある女性だけが一か所に集められ、それ以外は等しく野合!みたいな世界観なのかなと思ってるので、それはそれである種平等なのか?みたいな気持ちが。
生殖の象徴になるような異性愛カップルが民間にほとんど存在しないから性的・恋愛的パートナーとしての異性……的な意識が希薄になってる世界っぽい感じがするなあみたいなことは思いました。

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