C语言修仙（C語言修仙）の感想文
小蘑菇がすごくおもしろかったので、他の作品も読みたいと思ったときに一番インパクトがあったタイトルがこれで、でもついつい後回しにしてたんですよね。
しかし読み始めたら主役カップルの二人があまりに好き過ぎて、もっと早く読めばよかった！となりました。
続きでネタバレあり感想です。
わりと終盤に大きな展開があるので、あんまりネタバレ検索せずに読む方がいいかも！（といってもまだそんなに日本語圏の感想があるわけではないのですが…）
主人公は林潯、同級生たち三人で起業して洛神という人工知能？を開発しているプログラマーです。そして林潯が男神と崇拝しているプログラマーが東君といって、カップリングは東君×林潯（東潯）です。なにせ林潯が最初から東君のこと最高！！憧れ！！！って感じで、そしてお約束のように全世界が熱狂する男神・東君が不思議と弱小プログラマーの林潯のことを気にかけてくれ……？という感じで、わりと序盤からラブコメ的展開が多くて楽しいです。さっそくやってくる東君とデート回とか、あの世界が熱狂する男神がなぜか自分のような無名な人間と……？みたいなシチュエーション好きで……。東君がアイドル的存在だから普通にファンがいて、「一日過ぎて熱狂がようやく少し落ち着き、妻を名乗るファンたちの悲しみは少し好転し、現実を受け入れつつある……いや、どうして彼女たちは東君に彼氏がいることを黙認しているのか？」みたいなのも大喜びしちゃう。
ところでけっこう前半でラブラブになる主カプですが、意外と一線を越えるまでが長くてジリジリする！！このお風呂のシーンのここ……か……！？みたいに疑心暗鬼になりながら読んでいました。だって、一緒に寝泊まりしててバスローブ着た林潯から背中から抱き着いてくるとかさあ……でも論文読んだだけ……。けどお互いに『そのつもり』を匂わせあってるというのがめちゃくちゃ好きで……犯罪心理の刑林とか……。『砂糖を食べたい人と砂糖を部屋に閉じ込めて、1時間我慢できればその1時間後に砂糖が2枚手に入る。もしあなたなら、今すぐ砂糖を1枚食べるか、我慢して1時間後に2枚食べるかどちらを選びますか？彼の男神は明らかに後者だ。』っていう文章があって、これはもう完全に『今は抱かないけどこのあとめちゃくちゃ抱く』の比喩じゃないですか……て感じでずっとヤキモキしながら読んでた……。ラブラブ両思いな二人が今は色々あってセックスはしてないけど近いうちにするだろうことをお互い承知しておりそういう話をしながらいちゃいちゃしてる期間というのに弱い。
林潯は仲のいい友人二人と三人で起業＆ルームシェアしてるんですが、この二人がまたいいやつで、東君と会いに行くときは相手を落とすための子ウサギファッションを選んでくれたり、デートに行ったらお持ち帰りされずにちゃんと帰ってこいって言ってくれたり、でも二人がくっついたあと林潯が東君の家から帰ってこなかったときはちゃっかり最新ゲームで買収されていたり、三人の友情もとても好きです。終盤でなかなか大がかりなどんでん返しがあって、その時の東君のことを思うと非常に胸が痛いのですが、友人二人もよく考えたらかなり大変でしたよね笑。本当にいい友達がいてよかったです。
タイトルに修仙とある通り、舞台は現代だけどなんか修仙世界になっちゃった！という世界観で、今まで色々……というほど読んでないかもだけど読んできた修仙もののパロディが面白くて、ていうかC語言修仙が今までで一番修仙の仕組みを説明してくれている気がする笑。金丹期とか元嬰期とか……。そんで林潯の師父になってしまった大家のじいさん以外にも現代で修仙をやってる人たちが色々いて、みんなでグループチャットで連絡を取り合ってるのが面白過ぎる。無汚染無公害で蘭爺がやりたかったのってこういうことでしょ！中でも序盤のかませ犬っぽかった剣修がラッパーとか人魚とか色んな属性を背負わされた挙句、佛修師兄となんかいい感じになったの、何ですかあれは！？！？番外ちらっと出てくる描写見てもなんかありますよね……？でもなんかすごく……謎のサブカプ……。
C語言修仙のオチは二転三転するのでけっこう説明が難しく、読み終わってみればハラハラはしたけど虐というほどではなかったかな？ただ一旦お別れのような展開があり、現実に戻りたいときっぱり言う林浔の心が強過ぎて胸が痛くなりました。そんな林浔も別れる前はかなり精神的にしんどかったのだろうというのも……。最後に東君と林潯の心がまた通じ合ったのが林潯の根本になるのは実はやっぱり檸檬精（やきもち焼きのこと）で、自分の独占欲で林潯を閉じ込めてしまうことを恐れる東君と、本当は閉じ込められたいのにそれを口にできなかった林潯という賢者の贈り物みたいなすれ違いはかなり好きでした！あとこっそり果殻の中の林潯を見守るつもりだったのにまた恋に落ちてしまったっていうのも好きです。
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