无污染、无公害(無汚染、無公害)の感想文
現代武侠男女カプというお話なんですが、BLじゃなくてもP大カプ好きな人好きそう~~!と思いながら読んでました。男主の喩蘭川はほんとP大作品のかわいい男という感じなので……。
続きでちょいネタバレありの感想です。
あらすじとしては、祖父から寒江七訣という武功を伝授された住宅ローンに追われ母親違いの年の離れた弟に手を焼くサラリーマンの喩蘭川が、怪しげな占い師であり実は刀使いの高手でもある甘卿とお隣同士になって二人がさまざまな江湖のしがらみに関連する事件に遭遇する……みたいな感じです。
最初に書いたんですがもうこの喩蘭川(親友から蘭爺って呼ばれてるのが好きなので私も大体蘭爺って呼んでます)、あまりに好き過ぎる!!!!!私はpriest先生のウィットに富んだ皮肉とユーモアが好きなので、蘭爺の内心一言一言が面白すぎる。というか蘭爺に限らずこの作品は現代都市に生きる人々の悲しみをユーモアたっぷりに描く、みたいな話なので全体を通しての雰囲気がほんと好きでした。
ドラマではかっこいい武侠も現代社会だと大変なことが多くかっこいいばかりではないという話が延々と出てくるので(文案がすでにそう)、秘伝の治療術みたいなのわくわくして見たら赤字で大きく『これは科学的ではないので病気になったら病院へ行く!!!』って書いてあったりとか、「激しく上昇する家賃は竜巻のようで永遠に愛よりも突然だ」とか(これはあんまり武侠関係ないな)、武林盟主になってしまった蘭爺は常識を何より大事にして法律を守るタイプの人間なので江湖の武林人たちとの温度差がおもしろすぎる。武林大会で怪我をしたら保険で治療しないといけないですもんね。
いやこれずっと蘭爺がサイコ~~~の話してしまうな……。有匪は恋愛描写ちょっと薄めかな?と思ったんですが、蘭爺が恋愛モードになってくるとキュンとギャーー!の繰り返しで情緒が大変でした。蘭爺、容姿端麗でそのことを自分でもよく知ってるっていうのはP大キャラまああるあるかもなんですが、さりげなくそれを演出して相手に気付かせようとするかっこつけという性質も持っているので!もう!蘭爺!!しかしお相手が甘卿という大魔頭で、「僕は君を友達だと思ってる!!」という蘭爺がこれまでの人生で絶対に言ったことのないような台詞を言った時もおお……みたいなリアクションで(でも徐々に小喩爺かわいいと思う頻度が多くなってくるのもぐっとくる)、だからキスシーンは甘卿のスンとした感じは残しつつも甘酸っぱくて……。あと今回は甘卿の方が背景に色々あるタイプのヒロインで何回も蘭爺たちの前から消えようとするのですが、それを引きとめようとする蘭爺とのやりとりは胸が痛くて切ないです。それを踏まえての二人が初めて夜を共にするエピソードは本当に……この二人らしくて……!
無汚染無公害は色んな市井の人々と江湖の人々が出てきて、その中でもラストを飾る老楊と張美珍おねえさんの話がやっぱりよかったですね。往年のほろ苦い恋愛を全うする中高年の恋愛、とくに張美珍おねえさんがあまりにいい女過ぎる!!そういえば美珍おねえさんといえば行脚幇で五蝠令が出てくるので、有匪を読んでたのでちょっと嬉しくなりました。有匪の世界の行脚幇と無汚染無公害の世界の行脚幇の対比も……笑。
PR