桥头楼上の感想文
続きで簡単にネタバレあり感想です。
あらすじとしては、清水文学城というネット小説プラットフォームに投稿された奇妙なホラー小説をめぐるサスペンス群像劇で、作中世界を描く「桥上」と現実世界を描く「楼上」のパートに分かれて物語は進みます。
文案で主人公とされている「唐果」は作中ネット小説「在恐怖故事里当鬼是怎样的体验(ホラーの幽霊になるというのはどんな体験か)」の主人公で、この小説の作者名が「猜猜我是谁(私が誰か当ててみて)」であるように、物語の後半からはこの不思議な小説の作者は一体誰なのか?というのがメインテーマになってきます。
さっき群像劇と書いたように、現実世界の方では明確な主役っていうのがいなくて、小説「鬼是」の読者が集まるグループチャット(かな?)の読者たちが主な登場人物です。そして主な登場人物がみんな女性っていうのが新鮮だな~と思いながら読んでました。BL以外も有匪とか無汚染無公害とか読んできましたが、こんなに全員が全員女性キャラなの珍しくないですか?
【行楷】清水文学城のやる気のない編集者
【我老公纸片人】清水文学城のわがまま作家
【云朵棉花糖】お嬢さまスクールカウンセラー
【旺柴娘】元記者でアンチファンの主婦
【黑猫警长】年の離れた妹を養っている警察官
(もうちょっと他にもいるけど)(あと「作者」側のキャラも)
という感じでところどころP大らしいユーモアが炸裂するチャットの会話と、その中で徐々に明らかになっていく「唐果」の秘密とスリリングな展開……!
そういえばコメント欄見ててそうだな~と思ったのが、今回は登場人物みんな普通の人たちなんですよね。今まではファンタジーに限らず現代ものでも何らかのすごい人たちが多かったけど(过门の二人とかもなんやかんやすごいので…)、今回の登場人物たちは誰かが大活躍するわけでもないし、欠点も多いし、なんならこれはちょっと……みたいなことをしているところもあったりで、でもそんな人間たちが集まって最後は最悪の展開は防ぐこともできたし、少しだけ良い方向へ持っていけたんじゃないかな?という読後感があり、とてもよかったです。あとみんな「作者」の少女たちに対してちゃんと大人なのがよかったな。
私はクライマックスあたりで林水仙がみんなの話をしてほしいって書いたときにチャットメンバーたちがそれぞれの人生の話をし出し、この章のコメント欄でも次々に読者が自分の話をし出すところが(そういうところで感動してしまって良いのか?という気持ちはありつつ)鳥肌が立ってしまいました。まあこれは自分が個人的にずっと考えてたことなんですが、インターネット、他人のことをあれこれ書き連ねるよりも自分の話をした方がいいんじゃないかと思ってて、だから自分の話をしなよというメッセージを勝手に受け取って刺さってしまったところがあります。それからこういう話と結びつけるのあれなんですが、最終回付近ってP大に関するよくない噂が出回ってるのを見かけた時期だったので(まあ今回だけじゃなくて有名人は常にそういうことが起こるものだが)(それが普通のことというのがなんとも……だけど)、そういうのもあってこの話を書いてくれて、こういう結末を示してくれてよかったなと思いました。
ところでこれはカプなし作品なのですが、【行楷】と【我老公纸片人】のやりとりは途中の文章読解ターンとか最終回までずっともえだったし、【云朵棉花糖】と【黑猫警长】はリアルで会ってほしい~~と思うなどしました。【黑猫警长】は妹への過剰管理がかなりウッとなってしまうところはありますが、この人めっちゃP大キャラだなーと思うし小蛙との関係も良い方に進んで病気も回復するといいですね。陳文逸は然るべき法の裁きを受けますように!!!!
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