迪奥先生の感想文
ちょっと趣向の違ったものを読んでみようかなと思って、初の「作品風格：爆笑」です。
あらすじとしては現代～近未来が舞台っぽくて、七年連れ添った焦栖の夫・張臣扉（主役カプは結婚してる夫夫です）が事故がきっかけて総裁（俺様社長…みたいな…日本語のニュアンスが難しい……）キャラになってしまった！という、数章ごとに攻めの人格が変わって色んなシチュエーションプレイになってしまうラブラブ夫夫ギャグです。
最初から最後まで丁寧な馬鹿馬鹿しさなので、ちょっと軽めの話を読んでみたい時にいいのではないでしょうか。本当に全くつらいエピソードゼロなので……。小牛翻訳がわりと相性よかったです！
以下ネタバレ（別にネタバレそんな気になる感じの作品ではないと思うが）ありの感想です。
読み始めた当初は「1章からキスシーンがある！」「2章でセックスしたカプも初めて読んだぜ！」という感じで盛り上がっていましたが、結局3章に1回くらいセックスしてるので読んでいくうちにだんだんそれが普通になってくるのが面白いです。
攻めの人格の変遷ですが、
①总裁的百万新娘：借金の代わりに結婚を迫るディオール・チャン総裁
②豪门的替身情人：政略結婚の身代わりにやって来た妻を追い詰める富豪様
③帝国元帅小萌妻：eスポーツ界の元帥アルファ様（オメガバース設定）
④□□帝王小逃妻：子連れで妻に逃げられた帝王
⑤金主干爹轻点爱：芸能界の金持ちパパ
⑥血族的祭品甜心：ヴァンパイアの王子
⑦海神的人鱼王子：人魚王子
⑧落魄总裁千金妻：落ちぶれて金持ちの妻に買われたマネーボーイ
⑨军阀的卧底男妻：匪賊から成り上がった軍閥先生
⑩霸道王爷俏王妃：妻为上のセルフパロ
……という感じでありとあらゆる設定をやり尽くしている！！あとそれぞれ設定がめちゃくちゃ盛られているのでeスポーツ編は元帥という名前でファンを獲得しつつオメガバースをやろうとするのでめちゃくちゃだよ！となりそうなところを……Art魔王という名の人気選手がいて「あなたはアルファですか」「（ArtのAをとったのかな？）そうです」みたいなコントが発生してしまう……何を言っているかわからないと思いますが細かく細かく馬鹿馬鹿しいシチュエーションを織りなしていくのですごい。
基本的にはギャグなんですが、張臣扉が色んな人格になるたびに、焦栖は知らなかった夫の一面を発見していくというストーリーにもなってるんですよね。二人はお見合い結婚で、親の代から名門の焦栖と庶民から成り上がった張臣扉なんですが、実は張臣扉は学生時代から密かに他校生徒だった焦栖のことが好きで、表面では成功した総裁様、余裕ある焦栖の夫として振る舞っているけど実はコンプレックスも多くて焦栖と結婚するために必死だったんですよね。なのですごい大迷惑な人格が次から次へと出てくるけど（まあなんだかんだ甲斐甲斐しく世話をしてくれるし設定に付き合ってくれるのだが）焦栖は大変な目に遭いつつも張臣扉がいかに自分のことを愛しているかを思い知るという……そういう始終ラブラブバカップル話です。元々結婚とかそういうステディな関係にある二人が茶番をするシチュエーション大好きなので個人的に好みな話でした。
そして出てくる色んなプレイ！ぱっと思い出せるの何かな～。オメガバースはまあ基本として、ヴァンパイア編が色々あったような。血よりも精…の方がよりエネルギーを得られるっていって社長室での攻めフェ…とか、妊娠したけど（してない）負担が多いから銀でできたお道具を挿入して堕胎させますっていうのはどの設定だったっけ？あと人魚王子はア……ビーズの産卵プレイがありましたよね。ロクでもない！
ところで序盤からディオール先生（ディオール・チャンは総裁キャラになった時に名乗る名前です）は焦栖のこと妊娠させようとしてますが、なんだかんだ焦栖が子供をほしくないというならそれでいいというところと揺れ動いてる感じがするんですよね。というのも焦栖には内緒にしてたけど焦から跡継ぎを作れとプレッシャーをかけられていて、それを焦栖には言えなかったんですよね。それがけっこう終盤の展開にキーワードだったりして。ただ途中で子供を欲しがる夫に埒があかないと思った焦栖が生まれました！ってゴールデンレトリバーの子犬を連れてきたので、光宗という名前を付けられたこの子犬がなんだかんだずっと二人の息子として一緒に暮らしてるのもほのぼのしてて好きでした。
[10回]
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